「似合う」と「なりたい」を叶えるスタイリングへ。学びを実践につなげた受賞作品

普段はモノトーンの服装を好むモデルが、憧れの「海外ガール・ストリート」に挑戦。
モデルの「似合う」と「なりたい」をスタイリングマップで分析し、新しい魅力を引き出した受賞者に、作品制作の裏側や学びによる変化を伺いました。
< 受賞者 >
知念璃乃さん(専門学校 金沢文化服装学院)
受賞作品


【画像】(左)Before (右)After
モデルの特徴は「アクア」、なりたいイメージは「クリスタル」。
赤いトップスやファー、レザーなどを取り入れ、新しいスタイルを提案しました。
受賞者に聞きました!
気になるテーマを開くと、インタビューを読めます。
「まさか自分が受賞するとは思っていませんでした。驚きましたし、嬉しかったです」
受賞を知ったときの気持ちを、そう振り返る知念さん。
今回のモデルを選んだきっかけは、何気ない会話の中にありました。
「ほかのモデル候補の子にも、どんなスタイリングをしてみたいか聞いていたんです。今回のモデルさんは、いつもモノトーンの服装をしている子だったのですが、『カラーにも挑戦してみたい』と話してくれて。それなら分析してスタイリングを組んでみたいと思いました」
モデルが希望したのは、カラフルな色使いやスポーティーなアイテムを取り入れた「海外ガール・ストリート」。
普段の服装とは大きく異なるスタイルでしたが、受賞者はその希望を聞いたときから「似合いそう」という自信があったそうです。
制作にあたり、まず行ったのはモデル自身の特徴と、なりたいイメージの分析です。
スタイリングマップによるモデルの分析結果は『アクア』。一方、なりたい海外ストリートのイメージは、コントラストの強い配色やシャープなライン、ハードな素材感を持つ『クリスタル』の要素が強いスタイルでした。
受賞者は自身の服を複数持ち込み、実際にモデルに着てもらいながらスタイリングを組み立てていきました。
『最初からある程度イメージは湧いていました。分析結果をもとにいろいろな服を着てもらったのですが、違うなと思う服はなかったんです』
完成したコーディネートには、赤いトップスやキャップ、ファー、レザーブーツ、ボリュームのあるワイドパンツを使用。それぞれの色・形・素材の特徴を組み合わせ、モデルの魅力を活かしながら希望するスタイルを表現しました。

完成したスタイリングを見たモデルは、最初は少し戸惑っていたそうです。
『見慣れていない、着慣れていない服だったので、最初は抵抗感があったみたいです。でも、だんだん「いけるじゃん」という気持ちになってきたようでした』
モデル本人も作品資料の中で『新しい自分に出会えました』とコメントしています。
普段は選ばない服に挑戦することで、自分でも気づかなかった魅力やスタイルの可能性に出会えたことが、今回の作品の大きな成果となりました。
学びを重ねることで、提案できるスタイリングの幅が広がった
今回の受賞された知念さんは、前年度にジュニアレベルを学び、今年度はプレイヤーレベルへとステップアップしました。
『最初は「似合う」と「なりたい」の両方を叶えるのが難しかったのですが、回数を重ねたからなのか、「これも似合うかも」「あれも似合うかも」と提案の選択肢が増えました』
スタイリングマップを学ぶ前は、具体的な分析方法も知らなかったといいます。自分自身も分析を受けることで、新しい気づきがあったそうです。
繰り返し学び、実践することで、相手の特徴を捉える視点が増え、提案できるスタイリングの幅が広がっていきました。
知念さんは普段、アパレルショップでアルバイトをしています。
『以前から接客するときには、お客様の髪色などを見ていました。でも、スタイリングマップを学ぶまでは分析の方法がわからなかったんです』
学習を重ねた現在は、接客時にもその知識を活かしているそうです。
『最近はお客様をパッと見て簡単な分析ができるようになってきて、「似合う」と「なりたい」を考えるようになりました』
学校で身につけた分析の視点が、実際の接客の中でも活かされ始めています。
今回の作品制作を通して、知念さんが改めて大切だと感じたのは、スタイリングを言葉で説明する力と、その土台となる専門知識でした。
『言語化する能力も大事ですが、そのためには服の名称や素材などの基礎知識も必要だと感じました。専門知識があって初めて、言葉で説明できるのだと思います』
また、着用するシーンを想像しながらスタイリングを組み立てることの重要性も学んだそうです。
現在は3年制の学校の2年生。卒業後の進路はまだ検討中ですが、店頭のマネキンのスタイリングや、ディレクターの仕事にも興味を持っていると話してくれました。
担当の先生が語る、作品制作を通じた成長
スタイリングマップの授業を担当する産形先生は、知念さんについて普段からスタイリングを考えることが好きな学生だと話します。
『モデルを見て、スタイリングのイメージはすぐに湧いていたと思います。まずスタイリングが決まって、それならフェスにしよう、とテーマが後から出てきたのではないでしょうか。コンセプトを決めるところには苦戦したかもしれません』
また、今回の作品については、時間をかけて取り組んでいたことが印象的だったそうです。
『資料の作り込みはシンプルでしたが、モデルのスタイリングや中身で勝負してきたところが良かったと思います』
先生が学生たちの大きな変化として挙げたのは、スタイリングを捉える視野の広がりでした。
『ジュニアレベルでは服がメインでしたが、プレイヤーレベルではメイクやヘアをどうするかまで取り組みました。服だけが大事なのではないと気づけたことが大きかったと思います』
また、先生自身もスタイリングマップの授業を担当して3年目になります。
『最初は分析に時間をかけて、じっくり取り組んでいました。でも、回数を重ねることで、パッと見た印象からテイストを捉えられるようになってきました。3年目でも発見や学びがあります』
学生だけでなく、指導する先生自身にとっても、継続的な学びにつながっていることがうかがえます。
「知る」から「活かす」へ
モデルの特徴を分析し、本人の「なりたい」と組み合わせて、新しいスタイルを提案する。今回の受賞作品には、スタイリングマップの学びが実践へとつながる過程が表れていました。
さらに、学校での学びがアパレルの接客にも活かされ、学生の将来の可能性を広げています。
第8回スタイリングアワード2026SS 受賞作品を見る →
専門学校 金沢文化服装学院
「 好きを実力に。」
創立70年以上の金沢のファッションスクール。
自分で設定したゴールを見据え、誰よりもガンバることを決めたあなたに合ったガンバり方を教えてくれる講師がいるファッションクリエーションとファッションビジネスの専門学校です。
https://kanabun.ac.jp/